E-School☆ブログ

 

「もし虫がケガや病気をしたら、誰が助けるんだろう?」

そんなことを考えたことがある方もいるかもしれません。

実は、アリやシロアリの世界では、仲間が病気やケガをしたときに

手当て」する行動が観察されているのです。

人間のように薬を出したり手術をしたりするわけではありませんが、

まるで「お医者さん」のような行動が見られます。

今回は、昆虫たちの中にある「助け合いの本能」と、そのすごさについて見ていきましょう!

 

アリが「消毒」する⁉ 傷の手当て行動

アフリカに生息する「マタベレアリ」は、敵と戦うことの多い戦闘的なアリです。

戦いで足や体に傷を負った仲間が巣に戻ってくると、

他のアリたちがその傷口をなめたり、特別な分泌液で消毒することが分かっています。

この分泌液には抗菌作用(ばい菌を殺す働き)があり、

手当てを受けたアリの死亡率はぐんと下がります。

実験では、手当てされたアリは死亡率が10%ほどにおさまるのに対し、

手当てなしのアリは90%以上が死亡したというデータもあります。

それだけではなく、このアリたちは「この傷は治せるのか」「治療しても無理なのか」まで

判断していることが分かってきています。

これは、人間の「トリアージ(治療の優先順位づけ)」という考え方に似ていますね。

 

シロアリは「口うつし」で病気を防ぐ

シロアリの世界では、仲間同士が「トロフォラキシス(口うつし)」という行動をします。

これは、口から口へと食べ物や体に必要な細菌を受け渡す行動で、ただの食事の共有ではありません。

実はこれが病気の広がりを防ぐ「集団免疫(しゅうだんめんえき)」のしくみにもなっているのです。

このときシロアリは、自分の体内にある良い菌(共生細菌)を仲間に渡して、

集団全体の健康を守っていると考えられています。

この考え方は、人間の「ワクチン接種」や「常在菌による免疫強化」にも通じています。

実際、シロアリが持っている抗菌性のバクテリアをヒントに、

新しい抗生物質の研究も進められているのです。

 

 自然界の「おたがいさま」

昆虫たちは「弱った仲間を見捨てる」と思われがちですが、

実はとても高度な「共生(きょうせい)」のしくみを持っています。

お医者さんのような行動や、予防的な助け合いは、群れや社会全体を守るための知恵なのです。

このような行動は「利他行動(りたこうどう)」と呼ばれ、

自分の利益を超えて、他人を助けるための行動として生物学でも研究されています。

実は、こうした昆虫の行動を研究することで、

人間の感染症対策や、災害時の支援システムなどのヒントが得られる場合があるのです。

たとえば、マタベレアリの行動は、戦場での応急手当のあり方や、

医療資源の効率的な使い方を考えるうえで参考にされています。

まとめ

このような話を聞くと、昆虫の世界がちょっと違って見えてきませんか?

科学者たちは、こうした行動を観察・研究することで、人間の医療や感染症対策にもヒントを得ようとしています。

アリの分泌液から作られる新しい抗菌薬の開発、シロアリの共生細菌を応用したバイオテクノロジーなど、

研究はどんどん広がっています。

今回紹介した「マタベレアリ」「トロフォラキシス」「利他行動」など、知らない言葉があったら、

ぜひ自分で調べてみてください。

その「調べる力」こそが、みなさんの学びをどんどん深くしてくれます。

「これってどうして?」「なんか面白いかも」と思ったら、それが立派な学びのスタートです。

自分の興味や疑問を、自分の手で調べて、追いかけてみましょう!

なぜ?」と思う気持ちを大切に、自分のペースで、学びの冒険を続けていってください!

 

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